九州電力の川内原発が再稼動しました。国内の原発としては、1年11カ月ぶりの稼働となります。
エネルギー資源の大部分を海外からの輸入に頼る日本にとって、直近で再生可能エネルギーが原発の代替えにならない以上、原発を全面的に廃止するという選択肢は有り得ませんし、また、これからも世界が原発を必要としている以上、福島第一原発の事故を起こした国として世界一安全な原発を世界に提供する責任があると考えます。
一方で、原発の再稼動に反対する声も小さくないのが現状です。反対の理由として、「福島第一原発の事故の悲惨さ」と、「現状で原発が無くても電力を確保てきている」ことなどが上げられるのではないでしょうか。
しかし、まず「福島第一原発の事故の悲惨さ」ですが、今回の原発事故で放出された放射が直接影響して亡くなった人はいないということを確認しておきたいと思います。
事故関連で亡くなられたり健康を害されたりした方の多くは、過酷な避難生活や風評被害などが影響していると言われています。
であるならば、当時の強制避難指示が妥当であったのか、現在の避難指示区域が妥当であるのか、科学的な根拠に基づいて検証すべきではないでしょうか。
現状では福島県内のほとんどの地域で避難の必要はないとの指摘があります(※)。
また、「現状で原発が無くても電力を確保てきている」ということですが、それは、「今後も海外から化石燃料を日本が必要とする分だけ安定的に輸入できる」ということが前提の話です。
しかし、シーレーンの安全や中東情勢を踏まえれば、「安定的に輸入できる」との考えはあまりにも楽観的であり、国家として万一の事態に備えない政治家がいるとすれば無責任というほかありません。
原発の再稼動の必要性は、経済的な観点でのみで語られることが多いのですが、経済性も命に直結する問題であり大切ですが、エネルギー安全保障や国際社会での責任という観点からも考えるべきではないでしょうか。
※:「福島安全宣言」公式サイトhttps://fukushimaanzensengen.wordpress.com/