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2015/07/28【空の交通革命を目指して】

 日本の宇宙航空研究開発機構は、次世代の超音速旅客機の飛行実験に成功しました(※)。
今回の実験は、超音速飛行で課題となる衝撃波を低減することが主な目的で、実用化の目標は2050年頃とのことです。

 ジャンボジェット機が実用化された1970年代当時、空の大量輸送時代の次は、超音速飛行の時代が到来すると見込まれ、コンコルド機などが実用化されましたが、超音速旅客機は騒音や経済性などが課題となって航空輸送の主流になることはなく、事故の影響もあってコンコルドは2003年に全機退役しました。

 しかし、移動時間を短縮するニーズは今も確実に存在し、特に海外路線など長時間の移動ほど高速化のメリットは大きくなります。
各国も超音速旅客機の研究を進めていますが、ボーイングやエアバスに中大型・中長距離用の旅客機市場を独占されている現状で、日本がいち早く超音速旅客機の商用化を実現できれば、MRJやホンダジェットと並んで航空機市場に風穴を開けることができます。

 過日は、東京の調布で小型飛行機の痛ましい墜落事故がありましたが、墜落しない世界一安全な航空機を開発するなど、空の交通革命を目指して、国を挙げて次世代の航空産業の育成を行うことが国益に適うのではないでしょうか。

※:7月27日付読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/science/20150727-OYT1T50094.html?from=ytop_ylist