防衛省は、海上自衛隊の新型哨戒ヘリコプター17機を6年間に渡って一括調達する方針とのことです(※1)。
防衛装備品の複数年度に渡る一括調達は、国産の新型哨戒機に続いて2件目となります。
通常は単年度毎の契約となる調達を複数年度に渡って一括購入可能とした特別措置法に基づくもので、調達コストの削減を図ることができるとされ、今回の契約では約100億円の削減効果があるとされます。
技術的な進歩が速い防衛装備品について、将来、陳腐化しない範囲で複数年度一括調達することは、企業側の投資リスクを低減し国内の防衛産業を保護する意味でも重要です。
今回、2016年度予算の概算要求基準の骨子案も示されました(※2)が、防衛装備品の調達に限らず、単年度予算制は無駄使いの温床との指摘もあり見直す必要があるのではないでしょうか。
企業活動では投資の回収スパンは短くなる傾向にありますが、国家による投資はやはり10年や20年先だけではなく、50年や100年といったスパンで考えることも必要です。
政府は、将来の日本の基幹産業を創り出すための投資を行い、新たな雇用の創出を図っていかなければならないと思います。
民間には難しい長期的な視野に立った投資こそ国家の役割ではないでしょうか。
だからこそ政治家には将来を見据える卓越した能力が求められるのです。
※1:7月21日付日本経済新聞http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS18H0G_Q5A720C1PE8000/
※2:同読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/politics/20150720-OYT1T50120.html