ノーベル賞を受賞した益川博士が、「首相の判断で戦争ができる法案だ」として安倍首相が進める安全保障法制を批判したとのことです(※)。
しかし、増川氏のこの発言には違和感を覚えます。
なぜならば・・・。
確かに、日本が首相の独断で他国に対し侵略戦争を仕掛けるのであれば言語道断です。
一方で、悪意を持った他国から日本が侵略戦争を仕掛けられたなら、首相は国民の安全、生命、財産を守るために決断しなければならないのは当然です。
逆に、そうした判断ができない人物が首相をしていれば、日本が侵略されることにも繋がりかねません。
万一、日本が侵略された場合、護憲勢力があれほど守れと言っていた日本国憲法が停止されることになってしまいます。
こうした事態は、万一にも起こしてはならないから十分な備えをしておく必要があるのです。
しかも、今回の法案では、自衛隊を派遣するにあたっては、例外なく国会の事前承認が必要となっています。
増川氏をはじめ多くの人に、本法案について事実誤認があるように思われてなりません。
その意味で、政府の説明不足は否めませんし、左翼のマスコミや政党を中心とした「戦争法案」などというレッテル貼りも問題です。
今回の安全保障法制に関わる混乱のもとの一つは、憲法9条にあると考えます。筋論からすれば、始めに憲法改正を行うべきですが、それには明らかに時間を要します。ですから、日本を守るために、国際情勢の変化に合わせて、現行憲法のもとでも解釈を変更して対応することが最低限必要なことと考えます。
※:7月20日付産経新聞http://www.sankei.com/politics/news/150720/plt1507200026-n1.html