「集団的自衛権の行使容認は国民の徴兵制に繋がる」との声があります。
特に、左翼系のマスコミでこうした見出しが躍っているのを目にします。
しかし、こうした記事をよく読むと、集団的自衛権が徴兵制にまで及ぶという論理的に正当な理由は無く、単に徴兵制を懸念する人がいるということを紹介しているにすぎない内容がほとんどです。
左翼系のマスコミは、徴兵制という言葉で国民の不安を煽り、安倍政権が進める安保法制に反対するように世論を誘導したい思惑があるように感じられます。
そもそも、「集団的自衛権でリスクが高まるから自衛隊員にはならず、リスクが無いのなら自衛隊員になる」という人が自衛隊員になっているのであれば、万一、実際に有事になった際は心配になります。
しかし、私の知る限り、戦争の怖さを本当に知っているのは自衛隊員の方でもありますが、万一の際は命がけで国民を守る覚悟ができているのも自衛隊員の方々であると思います。
しかも、現代の戦争において徴兵制は有効ではなくなりつつあります。
なぜなら、現代の戦闘は、非常に高度化し専門性が求められるようになっており、単に戦闘員の頭数をそろえればいいという状況にはなっていないからです。
数カ月や数年の訓練を経た兵卒が、職業軍人に対峙できるほど容易ではないのであり、実際にそうした理由などから徴兵制を廃止する国もあります。
繰り返し訴えますが、歴史をひもといても、近隣諸国が侵略の機会を窺っている中、自国が戦争を仕掛けさえしなければ起こらないというわけではないのです。
例えば、悪意を持って日本を侵略しようという意図を持っている国に対しては、外交努力だけでなく、集団的自衛権を含め実際に防衛体制を整えておくことが、戦争を抑止し国民の自由や安全を守ることに繋がるという現実を理解しなければならないということも、地政学上考えておかねばならないのではないでしょうか。