イランの核開発問題を話し合う欧米など6カ国とイランの協議が最終合意に達しました(※)。
日本では、安全保障法制の衆院通過であまり注目を浴びていなかった感がありますが、欧米のメディアなどは軒並み「歴史的合意」と伝えています。
合意内容は、イランが国際機関による査察を受け入れて核開発を大幅に制限し、その見返りにイランに対する経済制裁を解除するというものです。
しかし、イランに対する査察が実効性のあるものとなり、本当に核開発が制限されるのか早くも疑問の声が上がっています。
実際、北朝鮮は米国との間で核開発を制限する約束をしましたが、秘密裏に核開発を進め、現時点では数個の核爆発物を保有するに至ったと推測されています。
イランも、北朝鮮の二の舞にならないのか、米国の野党共和党やイスラエルなどから批判の声が上がっています。
私も核兵器のない世界を目指すべきであると考えます。
一方で、そもそも、なぜ既存の核保有国は核の保有が認められ、他の国は保有を認められないのかが疑問です。
全く不十分ではあるものの米英仏露による核兵器削減の努力はある程度認めますが、常任理事国の中で中国のみが現在も核兵器を増やしており、この中国の動きに歯止めをかける国際社会の動きは無きに等しい状況だからです。
国際社会、とりわけ日本にとって本当に脅威となっているのは、中国や北朝鮮の核です。
これらの国の核は、透明性が全くありません。特に、中国の核兵器増強に関しては、削減に向けての実効性のある枠組みは存在しないので、中国の核兵器削減に向けて何らかの手立てを講じる必要があると考えます。
※:7月15日付読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/world/20150714-OYT1T50113.html?from=yartcl_popin