沖縄県議会は、埋め立て事業に伴う県外の土砂や石などの搬入を規制する条例を可決しました(※)。
この条例は、特定外来生物の侵入による生態系の被害防止を目的としていますが、実際は普天間基地の辺野古移設阻止を念頭においたとも言えるものです。
移設計画では辺野古地区の海岸を埋め立てて滑走路を建設することになっており、県外からの土砂の搬入が不可欠です。
条例には罰則規定はありませんが、この条例により移設のための工事が遅れる懸念があります。
また、那覇空港の過密化を解消するために現在の那覇空港沖を埋め立てて拡張する計画が進んでいますが、本条例によりこの計画への影響も懸念されます。
沖縄県の翁長知事は、二重基準などと批判されないために、那覇空港の埋め立て工事でも県外からの土砂の搬入を許可しない方針と伝えられています。
しかし、辺野古移設阻止のために全く関係のない事業にまで支障をきたすやり方には疑問を感じざるを得ません。
また、翁長氏は、辺野古地区での工事に伴いブイを設置するために海中に沈められたコンクリート製ブロックがサンゴ礁を損傷させた可能性が高いとして工事の中断を要求していますが、実は、那覇空港の拡張工事でも規模は異なるものの海中に複数のコンクリート製ブロックが沈められているにも関わらず、こちらは何ら問題視されていないとのことです。
これが事実であれば、コンクリート製ブロックによるサンゴ礁の損傷についての翁長氏の態度は、既に二重基準ということになります。
翁長氏の行動は、一定の民意を背景としているのかもしれませんが、国防の危機を招くと同時に、地元の経済活動や生活にも影響を与えることになります。
どうか、考えを改めて普天間基地の移設が計画通りに進むことに協力して頂きたいと思います。
※:7月13日付読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/politics/20150713-OYT1T50029.html