ドイツで開かれているG7サミットで、南シナ海で中国が進める大規模な埋め立てに反対することで一致しました(※)。
G7が結束して中国に圧力をかけることは評価できますが、中国に埋め立てを止めさせる具体的な方策を示したわけではありません。
それどころかG7の中には、中国が主導するAIIB(アジアインフラ開発銀行)に参加する国が4つありますが、AIIBの支援で開発する途上国の港湾などのインフラ設備を中国軍が利用する可能性があることを忘れてはなりません。
つまり、AIIBへの出資を通じて、中国の力による海洋進出を後押ししてしまう可能性があるのです。
AIIBが支援するにあたって、審査にどの程度透明性を確保できるのか不明ですが、AIIBに参加したG7の4か国の発言力が強くないことは想像に難くありません。
中国による南シナ海での急速な埋め立ては、領有権を争うフィリピンの軍事力の圧倒的な劣勢と、一度フィリピンから撤退した米軍の空白を突いたものであることは明白です。
G7各国は、中国の脅威に対してもっと危機感を持つべきではないでしょうか。
同時に、中国軍に対する防衛力の不均衡は、中国の侵略的な拡張を招くということを教訓とすべきではないでしょうか。
※:6月8日付読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/politics/20150608-OYT1T50084.html?from=ycont_top_txt