北朝鮮は、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射実験に成功したとしています(※)。
北朝鮮の機関紙が、実験の模様とする写真を掲載したものですが、真偽のほどは不明です。
仮に、北朝鮮がSLBMの開発に成功し実戦配備した場合、地上発射式の弾道ミサイルに比べて、発射を事前に察知することが困難となるため、周辺国にとっての脅威が高まります。既に、北朝鮮は核弾頭を弾道ミサイルに搭載可能なレベルまで小型化に成功していると見る専門家もおり、北朝鮮の核攻撃能力獲得に国際社会の警戒感が高まっています。
しかし、北朝鮮が実戦配備できるようになるまでは、克服しなければならない技術的な課題が多いはずなので、まだ時間を要すると見られています。
また、SLBMを実戦配備している国は米英仏露中の5ヶ国ですが、いずれも原子力潜水艦に搭載しているのに対し、北朝鮮は非原子力推進の潜水艦しか保有していません。
仮に、北朝鮮がSLBMを実戦配備したとしても、通常動力の潜水艦は作戦行動時間が原潜に比べて長くないため、動静把握が比較的容易と言えます。
いずれにせよ現状では、日本にとって米国による核抑止力が一段と重要になりますが、日本への核攻撃を想定した場合、米国が本当に核兵器で反撃するのか疑念を払拭できません。従って、自衛隊による敵地攻撃能力の獲得を真剣に検討しなければならないのではないでしょうか。
※:5月9日付読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/world/20150509-OYT1T50053.html?from=ycont_top_txt