5月
07

2015/05/08【注目の英国総選挙】

 英国の総選挙は、日本時間の5月8日中にも大勢が判明します。
従来からの二大政党である保守党と労働党は最後まで接戦を演じていると伝えられていますが、両党ともに単独では過半数の議席を獲得できない見通しです。

 そんな中で、スコットランド民族党(SNP)が躍進し、第3党に躍り出ると見られています。スコットランドでは先の住民投票で独立が否決されましたが、SNPは自治権の更なる拡大をめざしており、SNPの躍進でスコットランドの独立機運が再燃することも予想されます。

 SNPは地域政党です。
各地域が国家として一つの方向に切磋琢磨し合うのであれば国力を高められますが、各地域がそれぞれの考えのもとバラバラに政治を行えば、国家としての一体性を損ね国力を弱めてしまいます。

 また、SNPは高福祉国家を目指す社会主義政党でもあります。
同党は北海油田の権益を福祉政策の充実に使うべきと主張していますが、新たに産業を立ち上げて富を生むという考えではなく、天然資源の採掘で得られた利益を当てにするのであれば、国家として創造性に欠くと言わざるを得ません。

 英国が産業革命により世界経済の中心に躍り出た歴史や、天然資源の乏しい日本が明治維新以降に欧米列強に追いついた歴史を思い出すべきではないでしょうか。
 

 米国の躍進で覇権国家の地位から陥落して久しい英国ですが、SNPの躍進などで二大政党制が終焉すると伝えられる中で、どの方向に進むのか注目が集まります。