憲法改正論議の中で、「9条」と並んで最近よく目にするのが、「前文」に関するものです。
前文では、日本国憲法の前提として「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」とありますが、識者の中には、中国や北朝鮮を念頭に、信頼できるとは言えない国がある以上、憲法を改正する必要があると訴える人もいます。
確かに、中国や北朝鮮は、平和を愛する国家とは言えませんし、公正や信義を信頼できる国でないことは誰の目にも明らかですから、前文を含め憲法改正の必要があると言えます。
一方で、法制度の不備や世論もあって、憲法改正が一筋縄ではいかないこともまた事実です。
このままでは、文字通りに解釈すれば、今の前文がある限り、日本が他国の軍事的圧力に屈する事態さえ有り得ますし、9条がある限り日本は自国を守ることもできません。
そこで、幸福実現党が予てから主張しているように、憲法改正が行われるまでの間、有事においては、「相手が平和を愛する諸国民と認められない国ならば、9条の適用を除外として対応」し、日本国民の生命・安全・財産を守っていく必要があると考えます。
たとえば、中国は、ここ10年以上毎年10%の伸び率で軍備増強を進めており、それも空母や揚陸艦、それに弾道ミサイルなど明らかに攻撃型の兵器を増強しています。
しかも、尖閣諸島周辺の日本の領海付近では、連日、公船を繰り出していますし、南シナ海では、実効支配している岩礁を埋め立て、滑走路を含む軍事施設を建設しています。
国会議員の使命は国民の生命・安全・財産を守ることでもあります。
こうした事実から見ても、万一に備えて対応策を整えておくのが政治家としての責務です。
よって、護憲派や、安全保障法制の整備に反対する政治家は、相手国を信頼することは大切ですが、相手がかつてのヒトラーのような覇権主義をもった指導者であったとしても、譲歩を重ねて隷属する道を選ぶのでしょうか。
やはり、万一の備えがあることも考えなければならないと思います。
【参考】:幸福実現党プレスリリース『憲法記念日にあたって(党声明)』http://info.hr-party.jp/press-release/2015/4208/