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2015/04/13【有事への備えを考えるならば、防衛費の調達方法を柔軟に】

 防衛用の装備調達コストを如何に抑えるかと言うことが、国の財政状況が厳しい中では課題となっています。
 

 本来であれば、国防と言う国家存立の根幹に関わる問題を疎かにすべきではないのですが、無い袖は振れません。
そこで、自衛隊では、装備の複数年度一括調達を推進するなどして防衛費の抑制に努めていますが、世界的には、民生品を可能な限り転用してコストを抑えるといった流れがあります。

 例えば、ミサイルそのものとして民生品はありませんが、そのミサイルを制御する電子部品に民生品を利用するといった具合です。
最近では、電子部品などは民生品でも高性能化が進み、適用される規格も一昔前の軍用(MIL)規格のグレードに匹敵するものもあります。

 しかし、あまり安さにつられて過度に民生品を利用すると思わぬところに落とし穴があるかもしれません。
例えば、民生用の電子部品は、一般に自らが出す電磁波は考慮されていますが、自らが受ける電磁波による影響は通常の使用環境下でしか考慮されていないようです。
従って、核爆弾の爆発などで放出される強力な電磁波を受けた場合、多くの民生用の電子部品は、それが組み込まれたシステム全体をシールドしなければ、個々の部品レベルでは耐性が低く機能不全に陥る可能性があります。

 軍用品は民生品に比べて高価ですが、やはりそれなりの理由があるのです。
国の財政が厳しいのであれば、国防債を発行して、関心のある国民から広く防衛費を調達する方法もあります。

 米ソ冷戦を経て、米国一国による世界秩序がくるという世界各国の予想に反して、先般の習中国主席からオバマ米大統領への太平洋二分割が持ちかけられた事でも分かるように、中国の覇権主義が現れてきた現在、日本政府も防衛費の確保方法に関して柔軟に考えてはいかがなものかと考えます。