鹿児島県の川内原発の再稼動をさせないように求める訴訟で、鹿児島地裁が早ければ今月22日にも再稼動を中止する仮処分を出す可能性が報じられています(※1)。
川内原発は国内で最も早い再稼動に向けた手続きが進んでいますが、ある住民グループが「地震や大規模な噴火で深刻な事故が起きるおそれがある」などとして訴訟を起こしているものです。
確かに原発は、東日本大震災の影響により「地震」に対する備えは多方面から検討されていますが、「噴火」に関しては地震に比べると十分に議論されていないように思われます。
しかし、大規模な火山噴火で、影響を受けやすいのは原発ではなく、火力発電であり、太陽光発電です。
再稼動反対派は、原発への噴火の影響として、噴石や火砕流などを想定しているのかもしれませんが、これらは影響する範囲が限定的です。
それよりも、噴火による広範囲の影響が考えられるのが火山灰です。
大規模な噴火では、大量の火山灰が噴き出す恐れがありますが、大量の空気を取り入れて発電する火力発電は、大量の降灰下では持続的な運転ができなくなるのです。
もちろん、太陽光発電も、降灰により太陽光が遮られ発電効率が低下することになります。
富士山の噴火でも大量の降灰の可能性が指摘されていますが、火力発電所が狭い範囲に集中して立地している東京湾周辺に大量の降灰があれば、たちまち大規模な電力不足が生じてしまう恐れがあります(※2)。
こうした事態でも、頼りになるのが実は原発です。
原発は火力発電に比べると降灰の影響は少ないのです。
政府与党からは、エネルギーベストミックスとして原発の割合を20%程度とする声が聞こえてきますが、本当にその程度の低さでいいのか考えてみる必要があります。
安定電源としての原発は非常に高いポテンシャルを有しているのです。
※1:4月7日付NHKニュースhttp://www3.nhk.or.jp/news/html/20150407/k10010040791000.html
※2:日本経済新聞http://www.nikkei.com/edit/interactive/rd/kazan2014/chapter3_sp.html