インドネシアのジョコ大統領が来日されています。
インドネシアは、ASEAN内で最大の2億人以上の人口を擁する大国です。
1945年にオランダから独立を果たしましたが、その際、旧日本兵インドネシア側について独立戦争を戦ったことなどから、親日的な国でもあります。
一方で、インドネシアには古くから中国系移民である華僑が進出しており、現在もインドネシア経済では強い力を持っています。
インドネシアの他の国民は、裕福な華僑に対して必ずしも良い印象を持っておらず、暴動などで華僑の商店が襲われることがしばしばあります。
あまり表面化していませんが、インドネシアも南シナ海で中国と領有権問題を抱えており、潜在的には中国を脅威と認識していると言えます。
ただし、インドネシアも御多分に漏れず、主に経済的な関係を重視して中国との関係強化を図っています。
インドネシアはある意味で日本と状況が似ているかもしれません。
今回のジョコ大統領の訪日で、安倍首相は同じ海洋国家であるインドネシアと、海洋安全保障分野の協力強化に向け、外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)を開催する方針で一致しました(※)。
インドネシアとの関係を強化することは日本の安全保障にとっても有益です。
インドネシアは、一時、米国との関係が悪化し、軍事面でも中露に接近せざるを得ない状況となりましたが、現在では米国との関係も改善しつつあります。
対中国を考える上でも、インドネシアは日本の重要なパートナーとなり得るので、今回の2プラス2開催合意を受けて、具体的な協力関係の構築に結び付け、一層の関係強化を図っていくべきと考えます。
※:3月23日付産経新聞http://www.sankei.com/politics/news/150323/plt1503230033-n1.html