中国は、終戦から70年の今年、盛大な記念式典の開催を計画しています。
中国は、現在の世界秩序を、第二次世界大戦という反ファシズム戦争に勝利した結果であり、中国は戦勝国であるということを強調したい思惑があります。
確かに、現在の国連は第二次世界大戦の反省をもとに結成されため、国連加盟国は中国のこうした主張に反対しづらい雰囲気があります。
現在では、国連が機能不全に陥っている側面もありますが、国連が掲げる理想通りに機能すれば、国際平和が保てると見えなくもありません。
しかし、現在の国連は、第二次世界大戦直後の世界秩序を反映しているが故に、日本をはじめとした敗戦国にとって極めて不利な取り決めが残っているのです。
それは、国連憲章ある「敵国条項」と言われるものです。
この条項は、第二次世界大戦中に連合国の敵であった国が、再び侵略的な行動などをとった場合、加盟国が国連決議を経ずに軍事的制裁を課すことを容認するものです。
つまり、例えば中国が日本の尖閣諸島に侵攻した際に自衛隊が防衛行動を取った場合、中国が日本による侵略と判断すれば、国連憲章上、日本に対する中国の攻撃が容認される恐れがあるのです。
国連憲章に敵国条項が残っているということを知っている日本人は多くないのではないでしょうか。
終戦から70年の日本の国際貢献を踏まえれば、敵国条項を残す合理的な理由は存在しません。
従って、終戦から70年を契機に、敵国条項は廃止すべきものです。日本国政府をはじめ私たちは、敵国条項の廃止のために声を上げていかねばなりません。