来年の1月に運用が始まるいわゆる「マイナンバー制度」の内容を知っている人は、3割に届いていないとする調査結果が発表されました(※)。
マイナンバー制度は、一昨年成立した共通番号制度法に基づくもので、国民全員に個人番号を割り振り、所得、年金、納税などの情報を一つの番号で管理する制度です。
今年の10月に個人に通知され、来年の1月から個人番号カードが配られます。
確かに、国民は年金や税金などの行政手続きが簡単になるメリットがありますし、政府としても脱税などを効率的に監視できるメリットがあるようです。
しかし、怖いのは、銀行口座へのお金の出し入れや、個人の保有資産といった、私たちの生活の全てを政府により監視されてしまうことになる点です。
そもそも、ほとんどの国民は意図的に脱税を行っているわけではありませんから、政府の役人に興味本位で個人情報を覗かれてしまうことに繋がりかねないこの仕組みには、気味が悪い気がします。
万一、マイナンバー制度から個人情報が漏れてしまったら、個人資産の仔細を把握されてしまうことになりますし、全国民の個人情報が漏えいする可能性すらあるのです。
更に怖いのは、現政権は、マイナンバー制度を社会保障にしか使わないとしていますが、政権交代があった場合、何に使われるか保証がない点です。
万一、左翼的な政権が誕生し、マイナンバー制度を利用すれば、国民の監視を強め、容易に統制体制を敷くことが可能となるのです。
今からでもマイナンバー制度を見直すべきではないでしょうか。
少なくとも、制度への加入を任意にすべきです。
自由を欠いた制度では、国や国民を真に豊かにすることはできません。
※:2月23日付読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/national/20150222-OYT1T50068.html