最高裁判所は、民法の夫婦別姓を認めない規定と、同じく女性の再婚禁止期間を定めた規定が、憲法に違反するか否かを大法廷で審理することを決めました(※)。
社会が変化する中で、時代に合わせて法律の規定を変えていくことは必要なことです。
夫婦別姓の問題は仕事などの都合で別姓を選択せざるを得ない事情も理解できますし、再婚禁止期間の問題も医療の進歩などにより既存の規定が必ずしも合理的ではなくなっていることも理解できます。
ただし、夫婦別姓の問題の問題は、それが家族の絆を弱め家族解体の方向に働くのであれば、憂慮すべき側面もあります。
例えば、社会保障費の増大が問題となっていますが、これは国家への過度の依存の結果とも言えます。
老後は国家が面倒をみるものという考えでは、社会保障費は増えるばかりです。
ですから、一昔前の日本のように家族が多世代で同居や近居するといった家族の中で支え合うことを広めていけば、社会保障費を抑制する糸口になるはずです。
北欧などを例に、国家による手厚い社会保障がもてはやされることもありますが、そうした国々での負の側面として、子供が年老いた親の面倒を見るという意識が薄く、世代間の家族の絆が強くないという傾向があります。
日本が目指すべき方向はそうした家族の絆が弱まる方向ではないはずです。高齢者が家族や社会から必要とされて支え合い、可能な限り自立して働ける環境を整えることが、社会保障費を抑制する鍵になるのではないでしょうか。
今回は、民法の規定の見直しの議論ですが、時代に合わせて見直す必要があるのは、憲法とて例外ではありません。
現行憲法そのものも、戦後70年を経て見直すべき時に来ています。
※:2月19日付読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/national/20150218-OYT1T50138.html