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2015/02/19【国際競争を視野に入れて開発を】

 フランスが輸出に力を入れていた自国製戦闘機「ラファール」の最初の輸出先がようやく決まりました(※)。
軍備調達先の多角化を進めるエジプトが、従来、米国に依存していた調達先を改め、今回、ラファール24機などフランス製兵器の調達で合意しました。

 ラファールについては、既にインドと100機以上の調達で契約が進んでいると見られていましたが、軍事技術の塊であるラファールの技術移転をめぐり折り合わず、合意には至っていません。
インドは、目下、自国製の軽戦闘機「テジャス」の開発を行っていますが、ラファールの調達を将来の自国での戦闘機開発に生かしたい思惑があると見られています。

 日本では、今年、将来の戦闘機開発に繋がる先進技術実証機の初飛行が予定されています。
日本で戦闘機が自主開発されるとなると、現行の「F-2」戦闘機の代替えと目されていますが、その調達数は100機に満たない計算になります。開発費の回収という観点からは、自ずと輸出が視野に入ると思われますが、ラファールの例からわかる通り、高価な戦闘機の輸出は簡単ではありません。

 日本での戦闘機開発にあたっては、他国の新鋭機を凌駕する性能が求められると同時に、輸出時の国際競争で勝てることを考慮する必要もありそうです。

※:2月14日付日本経済新聞http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM14H30_U5A210C1