自衛隊が保有するクラスター爆弾1万4千発余りの廃棄が完了しました(※1)。
これは、2008年に日本が署名したクラスター爆弾禁止条約に基づく措置です。
クラスター爆弾とは、爆弾の中に複数の小型爆弾(弾頭)が内蔵されたもので、主に空中で小型爆弾が拡散してから爆発するものです。
小型爆弾は不発弾になり易く、戦闘終結後も不発弾による事故が絶えないとされています。
しかし、実は、日本周辺では、中国や北朝鮮や米露を含めクラスター爆弾の廃棄に応じている国はありません。
過日発表された、「ミリタリー・バランス」の2015年版によると、中国の軍事費の増加分は、アジア全体の63%を占めるほど突出しています(※2)。
こうした状況下で、クラスター爆弾の廃棄を行ったことは、日本の防衛力を弱めることに繋がります。
クラスター爆弾の不発弾による被害の懸念も理解できますが、それ以上に重要な事態への対応も考えておかなければなりません。
※1:2月11日付読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/politics/20150211-OYT1T50009.html
※2:同http://www.yomiuri.co.jp/world/20150211-OYT1T50090.html