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2015/02/10【今までの農政の延長上に農業の未来はない】

 安倍政権が、農政改革や規制緩和の一環として検討してきた「農協」に対する改革案がようやくまとまりました(※)。

 農協の全国組織である全国農業協同組合中央会(JA全中)は、現在、農協法に基づく特別認可法人ですが、これを一般社団法人化するとともに、JA全中の組織内部で行ってきた監査業務を、一般の会社組織と同様に外部の監査法人が行えるようにすることを柱としています。

 今回の改革案は、抜本的な農業改革からすれば程遠いものですが、ようやく一歩踏み出したという意味では評価できるものです。戦後、小作と言われていような農家が独立した際、農協の組織は一定の役割を担ってきたことは事実ですが、既にその役割は少なくなりつつあります。

 様々な優遇策により守られてきた日本の農業ですが、その優遇策は、食糧自給率の向上には繋がっておらず、実質的に農家の保護や選挙対策といった側面が強いものとなっています。
その結果、世界でも類を見ない高コストの農業が生まれてしまいました。

 食糧安全保障の観点から、一定の保護は必要と考えますが、非効率なまま社会保障的に保護を続けるべきではありません。

 やはり、農家の経営の自由度を上げるとともに、努力した農家が正当に評価されるような農業を目指しいくべきです。
今回の農協改革案は、実質的な改革が行われるのか疑問視する声も聞かれますが、農協をはじめとする農家の方々にも、今までの農政の延長では、日本の農業に未来が無いということを理解して頂き、抜本的な農業改革を目指す必要があると考えます。

※:2月9日付産経新聞http://www.sankei.com/politics/news/150209/plt1502090024-n1.html