「イスラム国」による日本人人質殺害事件は、日本中に衝撃を与えました。
「イスラム国」は、イスラム教に基づく国家の樹立を目指していることもあり、イスラム教に対するイメージも悪化しているように思われます。
しかし、ある紀行番組で、中東の現地の人は、訪れた日本人に対して、「外国人であっても困った人を見たら助けるのがイスラム教徒だ」と話していたのが印象的でしたが、本来、イスラム教は寛容を旨とする宗教です。
イスラム教への理解不足が、イスラム世界に対する誤解に繋がっているのではないでしょうか。
特に、日本では、戦後教育の影響などもあって宗教に対して、「触れてはいけないもの」、「表に出してはいけないもの」という刷り込みもあってか、「宗教があるから紛争のもとになっているのだ」という論調を目にします。
しかし、近代の歴史を見れば、むしろ、無神論こそが大量粛清や大量虐殺を生んできました。
人生はこの世限り、今を楽しく生きられればいい、といった考えが時に人間を機械のように扱ってしまいます。
正しい宗教は、命の尊さや魂の尊さを説きます。
大いなる存在に帰依する心があるからこそ、人は謙虚になり、私心を捨て人々のために貢献したいと思うのではないでしょうか。
一部の過激な思想をもって、イスラム教をはじめ宗教全体を否定的に捉えてはならないと思います。
確かに、千年以上前に成立した宗教は、現代社会に合わせたイノベーションが必要な場合もあるとは思いますが、宗教が多くの人の心の糧となって、人類の歴史を照らしてきたという事実は忘れてはならないと考えます。
参考:『ザ・リバティ3月号』http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1398