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2015/01/28【量産燃料電池自動車の普及を】

 昨年末に発売された世界初の量産燃料電池自動車であるトヨタ「ミライ」の受注が好調です。
今年に入ってトヨタは、「ミライ」の生産体制を現在の約4倍まで引き上げる計画を明らかにしています(※)。

 燃料電池自動車とは、燃料として水素を使用し、空気中の酸素と化合させて電気を発生させ、電気モーターにより駆動する自動車のことです。
燃料電池自動車が排出するのは水素と酸素の化合物である水だけなので、水素の製造法次第では、たいへんクリーンな自動車と言えます。この燃料電池自動車は、従来の化石燃料を使用する自動車に代わる次世代の自動車の一つと目されています。

 また、燃料として水素を使用するということは、エネルギー戦略上、日本にとってもたいへん意味があります。
理論上、水素は水から作り出すことが可能ですし、日本周辺で大量に存在すると見られているメタンハイドレートからも、海底からの採取技術が確立されれば比較的容易に製造することができるのです。

 燃料電池自動車の実用化にはたくさんの技術的課題がありました。
世界に先駆けてこれらの課題を克服し、現実的な価格で量産にこぎつけたトヨタは賞賛に値すると思います。
今後、ホンダもトヨタに続く計画です。

 後は、水素を供給するインフラをどのように整備していくかが課題の一つです。
広範囲でのインフラ整備には行政の支援が重要です。
他の次世代自動車の一つであり、海外勢も次々に実用化している電気自動車の性能向上も日進月歩であり、電気供給インフラの整備は水素のそれよりも進んでいます。
政府も燃料電磁自動車の普及を後押しする考えを表明していますが、日本の強みを生かすためにも、この分野での投資を力強く早急に行うべきと考えます。

※:1月22日付産経新聞http://www.sankei.com/economy/news/150122/ecn1501220037-n1.html