テロ事件のあったフランスの新聞社が、事件後初めてとなる新聞を発行しました。
この最新号の一面には、イスラム教の預言者であるムハンマドの風刺画が掲載されており、フランス国内のみならず海外でもその賛否が話題となっています。
イスラム教では偶像崇拝が禁じられており、ムハンマドの絵を描くことも禁じられていますが、同新聞社はテロに屈せず「表現の自由」を貫く姿勢を示すためにムハンマドの風刺画を掲載したと見られます。
確かに、「表現の自由」は尊重すべきですが、一方で同新聞社には宗教に対する尊崇の念があるのかという議論が起きることが懸念されます。
ある表現に対してどのように感じるかは人それぞれであり、表現する側の意に反して受け取る側が不快に感じることは往々にしてありますが、今回の風刺画はイスラム教徒が不快に感じるとわかっていながら描かれているからです。
テロ行為は断じて容認できませんが、「表現の自由」がある一方で、多くの罪のない人々が侮辱されたと感じる内容を掲載し続けることが許されるのかは、議論の余地があります。
近代では最も尊重されるべき権利の一つとして「表現の自由」がありますが、もともとは「信教の自由」があって、その信仰を告白する自由から、「表現の自由」が生またということを思い出すべきではないでしょうか。
参考:1月13日付HRPニュースファイルhttp://hrp-newsfile.jp/2015/1965/