中国のウイグル自治区で、爆発物を起爆させようとしたとして、警官が6人を射殺したとのことです(※)。射殺された6人は、中国政府による弾圧に反対しているウイグル族と見られています。
現在、世界ではフランスでの新聞社などに対する襲撃テロ事件が問題となっており、テロへの抗議で各国が連携する動きが活発になっていますが、中国政府によるウイグル族への弾圧を、欧米によるテロとの戦いと同一視することは間違いです。
もともと、ウイグル自治区は東トルキスタンという独立国だったのであり、中国が占領したものです。
占領後、ウイグル自治区では、ウイグル族の権利が制限され、独自の文化さえも奪われつつあります。
ウイグル族の中国政府に対する反発は、独立運動と言えるものなのです。
中国政府は、今回のフランスでのテロ事件を、自らのウイグル自治区での弾圧を正当化するために利用したい思惑があるかもしれません。
しかし、フランスでのテロ事件は、言論の自由や表現の自由を守るための戦いという側面もあります。
ご存知のように中国には言論の自由や表現の自由がないので、なぜ世界が今回のフランスでのテロ事件に憤っているのかを踏まえれば、中国はジレンマに陥ることになります。
世界は、中国がウイグル自治区でテロと戦っている訳ではなく、むしろ中国がウイグルの人達の自由を奪っているということを正しく認識する必要があると考えます。
※:1月12日付読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/world/20150112-OYT1T50073.html?from=ycont_top_txt
参考:『ザ・リバティ』2015年1月号