政府は、2015年度の介護報酬を2.27%引き下げることを決定したとのことです(※)。
介護報酬とは、介護保険制度に基づいてサービスを提供した事業所に国から支払われる対価のことです。
政府は、増え続ける社会保障費に対して、今後も介護保険制度を維持するために必要な措置との考えのようです。
一方で、消費増税を延期したから社会保障費を削らざるを得なかったのだと言いたげに思えてなりません。
しかし、現行の制度を維持したままで社会保障費を全て消費税で賄おうとすると、2060年までに税率を70%にまで上げる必要があるとの試算もあるように、現実的とは言えません。
やはり、社会保障制度の抜本的な見直しは避けて通れません。
例えば、社会保障給付のうち保険料でまかなわれている額は6割程度であり、残りは税金などが投入されていることからも、保険ではなく積立方式の導入も検討すべきではないでしょうか。
また、医療や福祉の分野は競争にそぐわないとも言われますが、「競争」という言葉では語弊があるのであれば、この分野でも「経営」という考え方をもっと積極的に導入する必要があるのではないでしょうか。
そして、そもそもの給付を減らすためには、健康な人が幾つになっても働ける社会制度や仕組みを作っていく必要があると考えます。
老後を全て国に委ねるのではなく、自助努力に基づいて老後の設計をして、その上でやむを得ない部分を国に頼るということを基本とすべきとう議論もするべき時にきているのではないでしょうか。
※:1月11日付読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/politics/20150110-OYT1T50004.html?from=yartcl_popin