2015年の「10大リスク」が報道されていました(※)。
米国の調査会社が発表したもので、その中で最大のリスクは反EU勢力が台頭するなどしているヨーロッパの政治とのことです。
この調査会社の社長で国際政治学者のイアン・ブレマー氏によると、日本を取り巻く状況については、「ことしは私が懸念する地政学的リスクはアジアにはない」としています。
これは、中国は内政や経済がうまくいっているうちは、日本との経済的な関係を重視するはずとの読みがあるからのようです。
確かに、中国は国民の不満が高まった場合に日本などと衝突を起こして民意を逸らすことが考えられますが、一部で習主席の権力基盤が強化されつつある中では、外国と衝突を起こしてまで経済に影響を与えるようなことはしないとの見方があります。
しかし、現在の中国の躍進を支えている経済成長が、未来永劫にわたって右肩上がりに成長していくなどとは、よほど楽観的な指導者でない限り考えないはずです。
また、経済格差拡大など中国の内政も決して安泰と言える状況にはありません。
これは、いつなんどき中国が外国との衝突というカードを切るかわからないということであり、日本周辺には厳然として地政学的リスクがあるということではないでしょうか。
安倍首相は、年初の記者会見で、戦後70年目に当たり新たな談話を発表するとしていますが、村山談話や河野談話を踏襲する姿勢を示しています。
更に、内閣改造での親中議員を登用する人事を行っていますし、昨年末の日中首脳会談の実現などを見るにつけても、安倍首相の中国に阿つつあるような動きに危惧を覚えます。
中国は中長期戦略で日本を属国化することを念頭においているはずです。日本が今やるべきことは、そうした前提に立って国防を盤石にすることではないでしょうか。
※:1月6日付NHKニュースhttp://www3.nhk.or.jp/news/html/20150106/k10014465941000.html