東京都の小笠原諸島沖合の日本の排他的経済水域内に、サンゴを密漁する中国漁船が急増しています。
日本周辺での中国漁船の増加の背景として、中国での宝石サンゴの需要が高まる一方で、中国国内ではサンゴ漁が制限されているため、宝石サンゴが豊富にとれて、取り締まりが比較的緩いということがあるようです。
小笠原諸島周辺では、多い日には100隻以上の中国漁船が確認されていますが、日本の海上保安庁の巡視船など取り締まる側の船舶は数隻しか投入できないため、まさに焼け石に水の状態です。
更に、例え日本側に逮捕されても、宝石サンゴの収入に比べて罰金などの罰則が軽いため、中国漁船側としてはローリスクハイリターンという認識が日本周辺での漁を助長しているようです。
これが、ロシアの水域内であれば、当局に銃撃されることも覚悟しなければならないでしょうから、如何に日本が舐められているのかが分かります。
日本も、中国漁船を取り締まるために実力行使すべきとは言いませんが、尖閣諸島などの対応でリソースを割けないのであれば、罰則を大幅に強化すべきではないでしょうか。
また、中国漁船には中国による海洋権益拡大の先兵という役割があることを忘れてはなりません。
今回は、あくまでも漁民による経済活動の延長との認識があるかもしれませんが、中国漁船には中国当局から支給された中国版GPSの装置が搭載されており、中国当局は中国漁船の活動を把握しているものと考えられます。
中国漁船の急増には、中国当局による何らかの意図があるのかもしれません。
中国は、南シナ海で漁民保護の名目で軍を投入して版図を拡大した過去がありますので、中国軍の連携に対し警戒を怠ってはなりません。