北朝鮮がここ数カ月の間、外交において今までにない動きをしています。
北朝鮮と中国との関係がぎくしゃくしていると伝えられている中で、日本との間では拉致問題の再調査などが形上は動き出しましたし、韓国との間では対話の動きが一進一退はあるものの再開されました。
また、ロシアとの間でも北朝鮮の鉄道網の近代化に合意したと伝えられています。
一方で中国は、北朝鮮にとって生殺与奪の権を持っている国とも言えますが、中国の発表によれば、中国から北朝鮮への原油の輸出が9カ月連続して統計上ゼロとなっています(※1)。
この数字が正しいとすれば、北朝鮮が切迫感を強めているのは間違いないとみられ、北朝鮮の暴発を懸念する声も聞かれます。
こうした北朝鮮の動きと関連があるかは定かではありませんが、米韓は、戦時作戦統制権の在韓米軍から韓国軍への移管を、再度延期することで合意しました(※2)。
現在は朝鮮半島有事の際、米韓両軍の統制権は米側にあり、それを韓国側に移管することは韓国にとって悲願のはずです。
しかし、今回、北朝鮮が韓国を攻撃するために増強を進める弾道ミサイルへの十分な対処能力が韓国側にないとして、移管の延期を決めました。
これは、裏を返せば韓国側の自信の無さを表しているとも言えます。
中国は、親中的な韓国朴政権に応える形で、北朝鮮よりも韓国を重視するような姿勢を見せていますが、裏では北朝鮮と繋がっている可能性があるということを忘れてはなりません。
日本も、北朝鮮がいつ不穏な動きをしても対処できるよう警戒と防衛体制を整えておく必要があります。
※1:10月23日付産経新聞http://www.sankei.com/world/news/141023/wor1410230028-n1.html
※2:10月24日付同http://www.sankei.com/world/news/141024/wor1410240014-n1.html