米国のメディア王、ルパート・マードック氏は、中国のエンターテインメント分野への投資から手を引き始めたとのことです(※)。
同氏が期待していた中国の巨大市場へのコンテンツ提供が、中国当局の規制や介入により思うように行えなかったことが要因のようです。
中国国内で公開される外国映画の数は制限されていますが、同氏の当初の計画がうまく言っていれば、米国などの自由主義圏のコンテンツを大量に提供することにより、中国の民主化を促す一助となったかもしれません。
しかし、中国当局は、インターネットをはじめとした通信分野だけでなく、メディアに対する検閲を強めています。
当局の監視をかいくぐる国民もいるようですが、大多数の国民には中国共産党にとって都合のいい情報しか知らされていません。
健全な経済活動を行うための大前提は、自由な情報の入手です。
中国に投資しようとしても、中国当局が発表する経済指標さえ正しいのか疑問を持たれています。
中国市場に魅力を感じる人もいると思いますが、やはり中国への投資は慎重になるべきです。
それでも、中国に進出せざるを得ないのであれば、マードック氏のように撤退できるうちに撤退する準備をしておくべきではないでしょうか。
※:10月23日付日本経済新聞http://www.nikkei.com/article/DGXDZO78758000S4A021C1FFE000/