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2014/08/05【真実の究明こそ、科学者の死に報いる】

STAP細胞を巡る問題で、論文の共同執筆者であり指導者であった理研の発生・再生医学総合研究センターの笹井芳樹副センター長が自殺によりお亡くなりになったとのことです。同氏のご冥福を心よりお祈りしたいと思います。

 
一連のSTAP細胞を巡る問題で、笹井氏は責任を感じて、死を選んだものと推測されます。問題となったSTAP細胞に関する論文に不備がったことは事実であり、その意味では笹井氏に指導者としての責任は無いわけではないと思いますが、同氏が死を選んだ背景の一つには、マスコミによる執拗なバッシングがあるのではないでしょうか。

 
関係者を悪人のように決めつけ、STAP細胞そのものとは関係のない本人の人格を否定するような報道には大きな疑問を感じます。過去にもこうしたマスコミによる執拗なバッシングで死を選んだ人は少なくありません。マスコミも、報道姿勢に問題が無かったか今度こそ検証する必要があるのではないでしょうか。

 
一方で、笹井氏の心中を察するに余りあるものがありますが、自ら死を選ぶことは全てを終わりにすることにはつながりません。この世が全てという考え方では、大きな挫折や苦難を乗り越えることは難しく、生きる意味を見失ってしまいがちです。人間は、魂として永遠の生命を持っているが故に、死は終わりではなく、死後の世界で生き続け、この世で解決できなかった苦しみは、死してなお続くという霊的人生観が真実としてあるからです。

 

霊的人生観に立つことによって、如何に命が尊いかということを真に理解できます。

いずれにせよ、日本だけでなく世界の再生医療の分野にとって、最も優秀な科学者の一人を失ったことに変わりはなく、それを重く受け止めるべきです。同氏に報いるためにも、STAP細胞が存在する可能性がある以上、その証明に全力を注ぐべきであると思います。