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2014/06/10【リムパック参加の意義】

2年に一度行われる環太平洋合同演習(通称:リムパック)が、今月末から1カ月以上に渡って今年もハワイ近海で20ヶ国以上が参加して開催されます。

リムパックは、もともと旧ソ連を仮想敵国に環太平洋の旧西側諸国が中心となって行っていた各国海軍による合同演習ですが、ソ連崩壊後は各国の連携に主眼を置いた演習となっています。

リンパックは多国間の合同演習ですから、当然、集団的自衛権が前提となっていますが、日本の自衛隊の場合、建前上、武力行使を前提としない海賊対処や災害救援などに限定して参加しています。
日本は、ここでも集団的自衛権行使の問題が足かせとっているのです。

リンパックの主目的は、海賊対処や災害救援ではなくあくまでも軍事演習です。
対水上艦艇、対潜水艦などどのように連携して防御し攻撃するかが重要となっているのです。

ソ連崩壊後は、中国軍艦艇が招かれなかったことからもわかる通り、リンパックは対中国軍を念頭にしている側面があります。その意味で、リンパックで自衛隊が各国の軍隊と連携して軍事演習を行うことは、日本の抑止力を高める上でも重要なのです。

今年のリンパックには、初めて中国軍艦艇が参加することになっており(※)、中国軍にとって絶好の情報収集の機会となることも懸念されますが、一方で自衛隊の能力の高さや各国との連携を中国に誇示する機会とも言えます。

日本は、早急に集団的自衛権の行使容認を閣議決定し、国際法上でも認められている集団的自衛権を行使できる責任ある国家となるべきではないでしょうか。
抑止力を高めることは平和を守るということでもあるのです。

※:5月1日付産経新聞http://sankei.jp.msn.com/world/news/140501/amr14050112310004-n1.htm