年々増え続ける社会保障費が日本の財政赤字の要因の一つではありますが、しかし、決定的な打開策が見えません。
政府も、社会保障費を削減するために、高齢者の医療費窓口負担の増加や、年金給付開始年齢の引き上げなどを検討していますが、根本的な解決策にはなっていないと言えます。
国民の側も何もかも国に頼ろうとしては、社会保障費の増大を招くことになってしまい、それは重税国家へと繋がっていきます。
ここで考えてみたいのは、家族の絆です。
私の子供の頃は、当然のこととして、「親孝行」とは、「将来は親の面倒をみる」ということでした。
長男の自覚とはここから芽生えました。
だから、このような時代に育った者として思うことは、社会保障においても、必要なのは「自助努力」ではないかということです。
私の周りにもご家族を介護している方が何人かいますが、例えば、御夫婦のうちどちらかの介護が必要になった方を、配偶者の方一人で面倒を見ている場合、たいへんご苦労なさっている方が多いように感じられます。
公的な介護サービスの利用にも限界がありますから、介護をする側の負担は少なくありません。
一方で、二世代三世代で同居しているご家庭で、家族関係が良好なご家庭ほど、介護もうまくいっているように思います。
もちろんそうした家庭でもご苦労はあるでしょうし、様々な事情から公的な介護サービスに頼らざるを得ない場合もあると思いますし、公的な介護サービスを利用したほうが気が楽という考えもあると思います。
しかし、北欧型の高福祉社会もメリットはありますが、公的な福祉サービスが浸透している北欧では、家族の繋がりが希薄になっていると言われます。
二世代三世代同居の良さを見直し、老後は自分や家族や地域で守るという「自助努力」の考え方を大切にすべきではないかと思うのです。
こうした考え方や、生涯現役のための雇用や活躍の場を拡大する政策、相続税・贈与税の廃止などの政策とセットで、社会保障費の削減に取り組んでいくべきではないでしょうか。