フィリピンと中国などが領有権を主張している南沙諸島で、中国が実効支配している岩礁周辺で、中国が埋め立て作業を行っていることが分かりました(※1)。
南沙諸島には複数の島が存在し、フィリピンやベトナムなどが各々の島を実効支配しています。
対して、中国が実効支配しているのは、満潮時には海面下に沈むため国際的に島とは認められない岩礁です。
この岩礁には建造物があるものの島とは異なり、滑走路などの大型の構造物を設置することができません。
今回、中国が埋め立て作業を実施することにより、滑走路を建設するのではないかとの見方があります。
中国は昨年、東シナ海に続いて南シナ海でも防空識別圏の設定を示唆しましたが、中国本土から遠い南沙諸島周辺では実質的に防空識別圏を管理できないため、滑走路を建設することにより防空識別圏を設定するための布石とすることが考えられます。
この岩礁を自国のEEZ内と主張するフィリピン政府は、中国政府に対し抗議をしましたが、中国は無視して埋め立て作業を続行している模様です。
フィリピン周辺の南シナ海では、在比米軍が撤退した後、フィリピンの抑止力の弱さを突くように中国による覇権の拡大が続いています。
中国による脅威を目の当たりにしたフィリピンは、米国との軍事的な関係の再強化に動き出しましたが、遅きに失した感は否めません。
一方、日本では安倍首相が、集団的自衛権の行使容認に向けて基本的方向性を発表しました。
幸福実現党も安倍首相の発表を受けてプレスリリースを出しています(※2)が、集団的自衛権の行使容認は日米同盟の強化に繋がることは間違いありません。
南シナ海集団的自衛権の行使容認での中国の行動を踏まえても、如何に米国との同盟強化が重要か理解できると思います。
※1:5月13日付産経新聞http://sankei.jp.msn.com/world/news/140513/chn14051318160004-n1.htm
※2:5月16日付幸福実現党プレスリリース「集団的自衛権の行使容認に向けた安倍首相会見を受けて」http://info.hr-party.jp/press-release/2014/3055/