5月15日は、沖縄県が本土に復帰してから42年目を迎える日です。
これを伝える多くのマスコミは、今も沖縄県には日本にある「米軍専用施設の74%が集中」していることをあげて、基地負担軽減を訴えています。
一昔前は、「米軍基地の74%が集中」と報道していましたが、最近では幸福実現党の言論の影響もあってか、多くのマスコミが「専用施設」という断りを入れるようになりました。
こうした流れは評価できますが、沖縄県の基地負担軽減に関しては、米軍基地が専用施設であるか否かということは、本質的な議論ではありません。
本州にある在日米軍厚木基地や岩国基地などは、日本の自衛隊と共用で使用しているため、この74%の統計には含まれていないのです。
こうした基地を含めると、沖縄県の実際の集中率は24%程度と言われており、北海道よりも小さくなります。
例え24%であったとしても、日本の国土の0.7%にも満たない沖縄県に24%ですから、これでもやはり集中していると言えます。
にもかかわらず74%を強調する姿勢は、何らかの意図を感じざるを得ません。
例えば、現在、航空自衛隊那覇基地に配備されている救難隊のヘリコプターの一部を、米軍の嘉手納基地に移動させて、嘉手納基地を共用していることにすれば、専用施設の集中度合いは減りますが、これで沖縄県の基地負担が減ったことになるのでしょうか。そんなことは無いはずです。
確かに、沖縄県は、他県に比べて大きな基地負担を強いられていることに間違いないので、政府はその軽減に努めるべきです。
しかし、現在の中国の海洋での覇権的な拡張を踏まえれば、日本の抑止力を弱めるような政策をとってはなりません。
現在の日本では堂々と政府を批判しても逮捕されることはありませんが、中国の施政下では政府を批判することは基本的に許されません。
自由を守るために冷静な議論が必要です。