三菱重工が開発中のジェット旅客機「MRJ」の実機に相当する強度試験用の機体が先週、姿を現しました(※)。
MRJは、日本製の旅客機としてはプロペラ機である「YS-11」に続く機体で、日本初のジェット旅客機です。
大きさは、各地の空港で良く目にするボーイング「737」よりも一回り小型で、座席数は737の半分から3分の2程度の70~90席規模の機体です。
特徴の一つは、機体の軽量化やエンジンの効率化による低燃費性能の高さです。
実機による初飛行は1年後を予定しているとのことです。
日本の科学技術はあらゆる分野で世界トップクラスとのイメージがあるかもしれませんが、航空機産業の分野では、戦後、世界の先端から大きく後れを取っていました。
これは、戦前戦中の日本の航空機産業のレベルの高さを警戒して、米国などの占領国側が政策として戦後の日本の航空機製造を認めなかったことが起因と言えます。
航空機産業のその先には宇宙産業がありますが、14日に国際宇宙ステーションから若田光一が地球に帰還した際に乗船した宇宙船はロシア製です。
日本は、有人宇宙開発の分野でも、米ロ中に大きく水をあけられています。
航空宇宙産業は、今後、世界的に需要が高まることが予想され、この分野でも潜在的に高い技術力を持つ日本は、新たな基幹産業として育成すべく官民で一層力を入れていくべきではないでしょうか。
財政再建には経済発展が不可欠であり、そのための成長戦略の柱の一つとなることを期待したいと思います。
※:5月8日付読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/chubu/news/20140508-OYTNT50022.html