フランスを訪問した安倍首相は、次世代の原子炉と言われる「高速炉」の共同研究推進で合意しました(※)。
高速炉と言えば、日本では高速増殖炉「もんじゅ」がありますが、現在、開発は止まっている状況です。
エネルギー自給率が4%という日本の現状を踏まえれば、安倍政権が進める「原発は重要なベースロード電源」という考え方は妥当なものです。
しかし、原発の稼働に際して生じる核のゴミの処理問題に関して、技術的には解決しているものの、政治的な理由で処理場所が決まっていません。
そこで、核廃棄物を大幅に軽減できる高速炉は、日本だけでなく世界的にも大変注目されている技術です。
日本では、ナトリウム漏れ事故や管理上の問題などがあって、「もんじゅ」の開発計画が当初予定から大幅に遅れて、現在は白紙の状態です。
フランスは先進国の中で最も原発依存度の高い国であり、福島第一原発の事故後も、原発依存度の見直しを求める世論の高まりがみられたものの、原子力に依存する政策を堅持している原子力大国です。
そのフランスと高速炉の開発で協力することは、「もんじゅ」の開発にも追い風となるのではないでしょうか。
今回のフランスと共同研究推進の合意を受けて、是非、高速増殖炉の実用化を目指して、開発を加速させてほしいと考えます。
※:5月6日付読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/politics/20140505-OYT1T50149.html?from=ycont_top_txt