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2014/05/01【ロシアへの制裁論議の前に中国は?】

中国のウイグル自治区ウルムチ市内の駅で爆発事件が起き、3人が死亡し、79人が負傷したと伝えられています(※)。

当局は、同自治区の分離独立を目指すウイグル族によるテロと断定しています。

今回の爆発事件が、一般市民を巻き込む無差別テロであるならば許すことはできませんが、直近まで同自治区を習近平主席が訪問していただけに、当局は面目を潰された形です。

現在では世界の多くの人が、ウイグル自治区は中国の一部であると認識していますが、ウイグル自治区は、かつて「東トルキスタン共和国」という独立国家だったのです。

それを1949年に中国が侵略し現在の自治区としてしまいました。

中国共産党の支配下で、ウイグル全体で160万人以上が殺されたと言われていますし、自治区内では46回もの核実験が行われ、ウイグル人19万人が亡くなり、今でも129万人が健康被害で苦しんでいると言われています。

また、多くのウイグル族がイスラム教を信仰していますが、自治区内では自由な宗教活動が制限されています。

教育現場では、ウイグル人同士さえもウイグル語で話すことを禁じられています。

この他にも、過酷な弾圧が行われており、ウイグル族の不満は鬱積しています。

中国当局は情報統制を行っていますが、世界はウイグルの現状についてもっと認知し、当局による人権侵害をやめさせるように圧力を強めるべきではないでしょうか。

そもそも中国による東トルキスタン共和国の領有は正当なものと言えないのですから、ウクライナ問題でロシアに対する制裁を行うのであれば、過酷な弾圧を行っている中国にこそ制裁を行うべきではないでしょうか。

ウイグルでの統治を見れば、中国共産党の本質が分かると思います。

※:5月1日付産経新聞http://sankei.jp.msn.com/world/news/140501/chn14050112460004-n1.htm