財務相の諮問機関である財政制度等審議会が、2060年度の国と地方を合わせた債務残高が1京1422兆円に達するとの推計を示しました(※)。
この債務の増大の背景には、高齢化が急速に進むことが要因としており、増税や歳出カットなどの収支改善策の実施が必要としています。
今回の推計は、実質のGDPが毎年2%ずつ増えるとする比較的堅調に経済が推移し続けることを前提としてこの債務残高ですから、国民の不安を煽る数字ではないでしょうか。
しかし、収支改善策として増税の必要性を匂わせるあたりは財務省らしいのではないでしょうか。
収支改善には税収を増やすことが必要なのですが、増税によって税収が長期的に増える保証はどこにもありませんし、増税で経済が減速すれば推計の前提となるGDPの水準さえ維持できなくなります。
今回の推計の発表は、消費増税10%実施の布石のように思えてなりません。
本当に必要なのは、減税により経済を活性化させて税収を増やすことと、日本の将来の基幹となる産業を育成することと、それにバラマキ型の現在の社会保障制度を抜本的に見直すことではないでしょうか。
※:4月29日付読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/economy/20140427-OYT1T50248.html