ロシアのプーチン大統領は、クリミアでの住民投票の結果を踏まえ、クリミア半島をロシアに編入することを表明しました(※)。
これを受けて米国などは一層反発を強めるものとみられ、米露の関係は冷戦以来の緊迫した状態へと突き進みつつあります。
しかし、米国はロシアへの圧力を強めつつも、武力衝突までは望んでいません。
ロシアも、欧米による制裁は想定の範囲内と思われ、クリミアの編入撤回は無いと見ていのではないでしょうか。
米国は、ロシアへの反発を強める一方で、チベットやウイグルなどで厳しい弾圧を継続している中国に対しては、もっぱら融和的な態度で臨んでいます。
また、米国は、10万人以上といわれる犠牲者が出ているシリア問題で、軍事介入を示唆しつつも、結局は傍観しているような状況です。
シリア問題に先立つエジプトの政変でも、長年援助し続けてきた親米政権をあっさりと見限っています。
このように、オバマ政権による外交は、筋が通っているとは言えません。
オバマ政権による外交に限って言えば、「世界の警察官」の役割をほとんど果たしていないことが分かります。
オバマ大統領は、ロシアと対峙することはいいですが、今後の世界秩序にとって、本当はどの国が脅威となっているか冷静に考えて頂きたいと思います。
大国同士である米露が争って、漁夫の利を得るのは中国なのです。
※:3月18日付読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20140318-OYT1T00814.htm