中国の習近平主席は、今月末のドイツ訪問でホロコースト記念施設を視察したい意向でしたが、ドイツ側が拒否したため実現しない見通しとなりました(※)。
中国は、ナチスの過ちを償うドイツの姿勢を引き合いに、日本を批判する思惑があったようですが、日中間の対立に巻き込まれたくないドイツの意向が働いている模様です。
ナチスによる蛮行は許し難く、ドイツがその償いをすることは当然ですが、実は、ドイツが第二次世界大戦中に行った行為全てについて、戦後処理が終了している訳ではないのです。
例えば、ポーランドとの間では、戦後処理の解決に至っておらず、現在も議論は平行線のままです。
中韓は、よくドイツを引き合いに出して日本を批判しますが、その際、中韓が印象付けようとしているのは、旧日本軍の行為をナチスによるユダヤ人の大量虐殺になぞらえることです。
旧日本軍が全く人道に反する行為をしなかったわけではありませんが、戦争という極限状態では、どこの国の軍隊でも反省すべき行為があるものです。
だからと言って、南京大虐殺や従軍慰安婦といった捏造された歴史を、ホロコーストと同一視して事実であったかのように喧伝することは許されるはずがありません。
人道に反する行為を批判するのであれば、中国に対してこそ行うべきです。
中国は、文化大革命時の大量粛清以降も、天安門事件で多くの犠牲者を出しましたし、チベットやウイグルなどでは現在も過酷な弾圧を行っているのです。
国際社会は、中国の非人道的な行為に対し、もっと声をあげるべきではないでしょうか。
※:3月17日付産経新聞http://sankei.jp.msn.com/world/news/140317/chn14031720250005-n1.htm