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2014/01/08【安倍政権による2014年は“忍耐”の年か】

安倍首相は、年初の自民党の会合で、「消費税率が8%に引き上げられる4月に多くの企業がしっかりと賃上げを行うかどうかが大きな勝負だ」と述べました(※)。

しかし、消費増税は、ものの値段が上がり消費にブレーキが掛かる訳ですから、4月以前の駆け込み需要があったとしても、経営者にとって賃上げの動機になるはずがありません。

そもそも資本主義社会において、賃上げは企業経営者の裁量権ですので、政府が口出しすることではありません。


先の民主党政権時にも指摘致しましたが、増税しながら経済成長できるという考えは幻想です。

経済成長すれば、増税を行わなくても税収は増えるのですから、優先すべきは増税ではなく経済成長です。

安倍政権が掲げる財政再建も、基本的には財政支出を絞る方向ですので、金融緩和とは逆行し、経済成長にブレーキを掛けるものです。

日本の2014年を本当にワクワクさせたいと考えるのならば、デフレ脱却にと止まらず、GDP世界第2位を取り戻し、さらにその先を目指す目標を立てるべきではないでしょうか。

そのためには、最低限、今年10月に予定されている消費税率10%の判断時に増税を見送るべきです。

安倍政権のちぐはぐとも言える政策が続けば、2014年はまさに「忍耐」の年になりそうです。


※:1月7日付読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20140107-OYT1T00696.htm