政府は、40年以上続けてきた減反政策を廃止することを決定しました(※)。
減反とは、米が生産過剰となって価格が下がらないようにするため、政府が生産を制限するもので、協力した農家には補助金が支給されています。
政府のコントロールによる減反は市場経済の原理に反するものですから、今回の減反廃止の決定は、一見、米の生産も競争原理が働く方向に動き出すかのように思われます。
しかし、実態は、農家には別の形で補助金が支給される仕組みになっており、補助金の種別によっては、現行制度よりも増額されるものもあります。
やはり、保護され続ける産業に未来はありません。
今回の減反の廃止は、米農家の経営の自由度をあげる一歩とはなりますが、農政全体としては方向転換が行われたとは、未だ言えない状況です。
減反の廃止は、TPPによる関税の撤廃をにらんでの部分もあるかと思いますが、例え関税撤廃が決定したとしても、撤廃までには猶予期間が設けられるので、その間にアジャストすればいいと考えます。
減反が行われてきたということは、消費者が求めるものを作ってこなかったということであると同時に、食糧自給率の向上を農業保護の理由とすることへの矛盾でもあります。
やはり、農業に関する様々な規制を撤廃し、消費者のニーズに対応した世界でも競争力のある産業へと日本の農業を変えていかなければならないと考えます。
※:11月26日付産経新聞http://sankei.jp.msn.com/economy/news/131126/biz13112612210004-n1.htm