中国が独自の防空識別圏を設定した件で、中国の今回の措置は、民間機を含む当該空域を通過する全ての航空機に対し、中国独自の規則を「強制」している点などから、明らかに国際法に反しています。
それだけではなく、そもそも中国自身が、国際法上の根拠がないとして自衛隊が設定している既存の防空識別圏内への侵入を繰り返してきたのです。
中国は、なぜ、自己矛盾をしてまでも日本など周辺諸国との緊張を煽っているのでしょうか。
それは、「共産党一党独裁による数々の矛盾に対する国民の不満を逸らすために、あえて危機を演出している」とする見方があります。
確かに、そうした見方は正しいと思いますが、習近平指導部は、単なる「演出」に留まらず、世界の覇者として中国が米国に代わって君臨する思惑が根底にあると考えます。
中国共産党の機関紙は、「世界の発展にはおのずと秩序があり、米国もこれに従うべきだ」とする社説を掲載していますが、幸福実現党の釈量子党首はこれについて、「中国が使う『秩序』とは、自国中心の『中華思想』のことである」と指摘しています(※)。
習氏は就任時の演説で「中国の夢」を掲げましたが、その夢が周辺国を侵すものであれば、日本としては打ち砕かなければなりません。
中国は、軍事的な緊張を高め、まずは地域の安全保障の主導権を握ろうとしています。
前回のブログの続きになりますが、米国の地位が相対的に後退していく中で、日本は毅然とした態度で、独裁国家中国に対峙していかなくてはなりません。
※:『ザ・リバティ』12月号