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2013/09/06【特定秘密保護法の必要性】

政府は、機密情報を外部に漏らした国家公務員らの罰則を強化する「特定秘密保護法案」の概要に対するパブリックコメントを始めました(※)。

この法案は、安倍首相が進める「国家安全保障会議(いわゆる日本版NSC)」の設置準備の一環といわれています。

日本版NSCは、米国のNSCをモデルとし、国の安全に関わる事件や問題の情報を収集、分析して首相に届けたり、外交安全保障の長期的な政策を立てたりする組織のことです。

国際社会では当たり前のこうした組織は、今まで日本には本格的なものが無なかったので、日本の情報力を高めるためにもぜひ必要と考えます。

一方で、特定秘密保護法は、国民の知る権利が制限されたり、政府が都合の悪い情報を隠すために使われたりする恐れがあるとの指摘があります。

確かに、公務員による内部告発が難しくなる懸念もありますが、情報管理が世界的な水準からみて甘いと思われている日本には必要な法律とも言えます。

例として、米国から日本に供与されたイージス艦の機密情報が、自衛官によって中国に流れたとする事件がありましたが、現状では同盟国である米国の信頼が揺るぎかねません。

そこで内部告発については、やはりその告発が国益にかなっているか否かで、政府なり司法なりが判断すべきではないでしょうか。

例えば、尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件のビデオの公開は、明らかに国益にかなっていました。

法律の運用は、政府のモラルによる部分がかなりあります。

時の政権が、国家国民のためではなく、自らの保身に特定秘密保護法を使ってはならないのは自明の理です。

政府には、公開すべきではない情報とそうではない情報を正しく判断できる能力が求められます。

※:8月3日付読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130903-OYT1T01090.htm