-日本の社会保障費は年々増加しており、2010年の時点で103兆円に達しています-
2009年時点の年金債務から積立金を差し引いた「年金純債務」は800兆円にも達しています。
このように現在の社会保障制度は着実に破たんに向かっており、抜本的な制度改正が必要なことが分かります。
-政府は、8月21日に社会保障制度改革の土台となる「プログラム法案」の骨子を閣議決定しました(※)-
骨子では、懸案となっていた待機児童対策に7000億円を支出するなど評価できる政策も盛り込まれてはいるものの、社会保障制度の抜本改革とは程遠い内容です。
骨子では、増え続ける社会保障費について、利用者負担を増やすことで対応することが主であり、社会保障費の抑制にどれだけ効果があるか疑問です。
むしろ、「利用者負担を増やしても対応できないので増税が必要なんです」と増税を正当化する声が聞こえてきそうな内容です。
-社会保障にかかる費用を全て消費税で賄おうとすれば、今世紀の半ばには、税率が60%を超えるとの試算もあります-
国による手厚い社会保障は、一見魅力的に映るかもしれませんが、手厚い社会保障が重い負担となり、本来であれば自立できる人の自立を妨げるような制度であってはなりません。
-やはり、年金については現行制度を廃止して積立式年金を創設することを目指すべきではないでしょうか-
生涯現役の考えを推進するなどして、「稼ぐ人」を増やし、「貰う人」を減らす自助努力型の社会を作る必要があります。
セイフティーネットしての社会保障の役割は必要ですが、自立している人には負担が重く、国に依存している人が得をするような制度は世の中の活力を削いでしまいます。
※:8月22日付読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130821-OYT1T01455.htm