中国北西部の新疆ウイグル自治区で、住民らと警官隊が衝突し、双方で27人が死亡したと伝えられています(※)。
このニュースのソースは中国の通信社ですが、事件の背景など詳しいことを伝えていません。
また、ウイグル自治区の歴史的な背景を伝える日本のマスコミもほとんどなく、日本人の中には、今回の暴動も過激派が引き起こした事件の一つと認識している人もいるかもしれません。
しかし、ウイグル自治区はもともと東トルキスタンという独立国家であり、第二次大戦の混乱の中で、中国が武力侵攻したという事実があります。
人権団体によるとウイグル自治区では、現在もウイグル民族に対する過酷な弾圧が続いています。
自治区内では、政治的な権力や経済的な利権は、漢民族に集中しており、中国政府によって多くのウイグル人が逮捕・拷問され、殺害されています。
また、数人で集まっただけでも届け出のない集会とみなされて取り締まられますし、密告や隣人同士の監視も強いられています。
更に、宗教指導者も自分たちで選ぶことができず中国当局から派遣されています。
こうした現状に、世界ウイグル会議など多くの亡命ウイグル人が、中国当局による過酷な取り締まりの実態を世界に向けて告発し、自治を取り戻すための活動を行っています。
日本も近年、中国の脅威にさらされており、中国の影響力が強まることの本当の怖さを理解すべきです。
中国に取り入る国もあるようですが、一党独裁国家である中国の影響力が強まるということは、自国の自由が制限されるということです。
私たち日本人は、自由の意味を考え、連帯して共産党支配に苦しむ中国の人々を救う必要があるのではないでしょうか。
※:6月26日付産経新聞http://sankei.jp.msn.com/world/news/130626/chn13062621030003-n1.htm