6月7日、8日にカリフォルニア州で行われた米中首脳会談で、習近平主席が「太平洋には日米両国を受け入れる十分な空間がある」と発言したとされます。
この発言の真意は、「太平洋を米中で東西に分割し管理する」ということではないでしょうか。
つまり、太平洋のアジア側は中国の管轄であり、米軍はアジアから手を引けという意図が込められていると見ることができます。
実際、中国海軍の艦隊は、日本の南西諸島を超えて太平洋に進出する訓練の回数を年々増加させています。
米国のオバマ政権は、表向きは米軍のシフトを東アジア重視としつつも、本音では中国との決定的な対決を避けて、国内問題に重きを置きたい思惑があるのではないでしょうか。
もしそうだとしても、自由の守護者たる米国は、一党独裁国家である中国の海洋進出には、一定の圧力をかけて抑え込むべきです。
北朝鮮以外の日本をはじめとした東アジア諸国にとって、中国の海洋進出は脅威以外の何ものでもありません。
中国の狙いは、東シナ海や南シナ海での領土、領海の拡大であり、こうした問題への米国の介入を排除することです。
米国が中国に対し、今後どのような態度を取るかによって、東アジアの自由主義国の安全保障が大きく左右されます。
日本は、米中軍事同盟のような、日米同盟を有名無実化させる流れを作らないように外交戦略を練るとともに、日米同盟を基軸とした自由主義国の連携を強化していくことが求められています。