米上院の行政監察小委員会は、IT関連大手企業のアップルが、海外子会社などを活用して巨額の課税逃れを行っていたとする調査報告書を発表しました(※)。
報告書によると、アップルは、2009年から2012年に約7兆5千億円の利益を米国から海外に移転し、そのうち約4兆5千億円について課税を逃れたとしています。
アップルのクックCEOは、同委員会の公聴会で課税逃れの意図は無いと証言しましたが、同様の問題は、他の国際的な大手企業でも指摘されています。
ただ、今回のアップルなどの手法は、現行制度下ではあくまでも違法ではないとされています。
そこで、6月に開かれるG8サミットでは、課税逃れを防ぐ国際的なルール作りに取り組むことに合意する見通しです。
しかし、いくら規制を設けたり、高い税率をかけたりしても、アップルの例にみられるような、巧みな節税策が流行るだけではないでしょうか。
むしろ、法人税は簡素化し税率を下げることで、納税する企業側だけでなく徴税する政府側の労力を低減し、経済全体を活性化して結果的に税収増に繋げるべきと考えます。
所得をどのように使うかは個人の自由であり、税金が高いということは、その自由を国家が奪うことにも繋がりかねません。
国民の経済的自由を守るということはたいへん重要です。
日本の法人税の実効税率は36%弱と主要各国に比べて高い値です。
法人税の減税により、産業の空洞化を抑制するともに、国内投資を活性化させ、雇用を増やし、外資を呼び込む効果を期待できます。
是非、日本は率先して法人税制を簡素化し、減税を実施すべきではないでしょうか。
※:5月22日付読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20130521-OYT1T01021.htm?from=popin