5月23日、冒険家の三浦雄一郎さんが、80歳7カ月にして世界最高峰エベレストの登頂に成功したという嬉しいニュースが流れました。
80歳というと「ご隠居」などといったイメージがあるかもしれませんが、三浦さんは同世代のみならず全ての世代に勇気を与えてくれたと同時に、壮年世代にも高い可能性があることを世界中に証明してくださいました。
私は、日本の社会がますます壮年世代の力を必要としていると感じています。
少子高齢化で働き手が減る中、定年を過ぎたとしても働く意欲のある壮年の方々は貴重な戦力です。
生涯現役として収入を得る壮年世代が増えることで、年金問題を解決する一つの手立てともなります。
そして何よりも生涯現役で働くことは、こうした世代の方々の生きがいにもつながるのではないでしょうか。
その為には、高齢者雇用を進める企業の税制優遇や高齢者の起業支援といった政策面の整備と、視力や体力が衰えても働き続けられるような技術開発にも注力すべきと考えます。
更に、家族の絆や地域の絆を強めることも、こうした世代の方々の不安を取り除き、安心して働けることに繋がると考えます。
一部では、高齢者雇用の増大は、若者の雇用機会を奪うとの主張がありますが、私は必ずしもそうとは思いません。
そもそも労働力人口の減少を若者だけでは補えませんし、経済を更に活性化させることで雇用機会全体を拡大させる発想をすべきではないでしょうか。
要は、壮年世代の方々と若者のお互いの強みを生かす関係を作り上げればいいのです。
なによりも、壮年世代には経験に基づく智慧があります。
若者はそれを学んで自己を高めることができます。
「生涯現役社会」の実現に向けて発想を変えていく必要があるのではないでしょうか。