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2013/05/06【オーストラリアに対しても武器輸出三原則の緩和を】

中国との経済的な繋がりを深めているオーストラリアですが、一方で、中国の軍事的な台頭には神経を尖らせています。

今月、オーストラリアが発表した国防白書の中で、太平洋海域での中国の挑発行為などに対する抑止力を高めるため、新たに潜水艦12隻の建造を目指す方針を示しました(※)。

オーストラリアは既に、海上自衛隊が保有する新鋭の「そうりゅう」型潜水艦に興味を示しています。

広大な海洋面積を管轄するオーストラリア海軍は、原子力潜水艦を別にすれば、遠洋での長期の作戦が可能な大型の潜水艦を必要としています。

世界では、非原子力推進の新鋭の潜水艦はいくつかありますが、そのほとんどが沿岸での作戦を中心に行う比較的小型の艦であるのに対し、「そうりゅう」型は各国の原潜に次ぐ規模を誇ります。

その「そうりゅう」型の潜水艦を建造している造船所が、私たちの兵庫県にある川崎重工と三菱重工です。

日本政府は、潜水艦部隊の増強を方針としているとはいえ、現状ではユーザーが自衛隊に限られているため、その建造数には限界があります。

よって、もしオーストラリアの潜水艦の建造が可能となれば、地元経済にも良い影響が及ぶでしょう。

しかし、現在の日本には武器輸出三原則があり、一部の例外を除いて、潜水艦などの兵器の輸出や共同開発ができません。

一方で、一党独裁国家である中国は、急速な軍備増強を背景に、覇権的な海洋進出を強めています。

日本が、民主主義の価値観を共有するオーストラリアと軍事的な結び付きを深めることは、台頭する中国への大きな抑止力となります。

従って日本政府は、法律ではなく政府の方針に過ぎない武器輸出三原則を早急に見直し、民主主義の価値観を共有する先進国など対しては武器を輸出することを認めるべきではないかとと考えます。

※:5月3日付読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20130503-OYT1T00591.htm